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技術紹介

パイプライン非定常流解析 |技術

非定常流解析とは

 管水路の設計においては、計画最大値など一定の設計流量に対して流下能力が満足するように水理計算を行い施設規模を決定します。

 これに対して、供用中の管水路では、弁操作やポンプの作動・停止など流量を調整することによって時間の経過とともに管内の流況が変化し、管内の流量・流速・圧力が変動します。

 流況の変化を考慮しない水理計算を定常水理計算と呼ぶのに対し、経過時間によって流況が変化し、定常流況から別の流況に推移する過程(非定常状態)を数値解析によって再現する手法を非定常流解析と呼びます。

管路の流況経時変化図
管路の流況経時変化図

 

 パイプラインシステムの非定常な水理現象として代表的な現象として、「水撃圧」、「サージング」が挙げられます。

◆水撃圧

 弁を急速に閉塞した場合など管内流量が急激に変化した際に、管内圧力が圧力波の伝搬に伴って急激な上昇と下降を繰り返す現象が発生します。この現象を水撃圧(ウォータハンマ)と呼びます。

自然圧送管路の水撃圧発生イメージ図
自然圧送管路の水撃圧発生イメージ図

◆サージング

 自由水面をもった複数の水槽を結ぶパイプラインシステムでは、下流側水槽の水位変動の影響で上流側水槽の水位が上下に変動し、さらに上流側の水槽水位も連動して変動する現象が発生します。この現象をサージングと呼びます

サージング発生イメージ図
サージング発生イメージ図

当社のパイプラインシステムの設計事例

  当社では、農業用水路、上下水道でパイプラインシステムの設計を数多く手掛けていますが、自然圧送、ポンプ圧送の施設設計では非定常流解析を行っています。新設管路施設の設計だけではなく、老朽管路の更新や事故原因の推定などにも活用しています。

非定常流解析事例1:老朽管路更新の検討

 老朽管路における漏水事故発生原因の究明と対策の検討のために非定常流解析を行いました。

 これにより、非定常流解析によって水撃圧の発生状況を検証した結果、流況によっては管路に負圧が発生してしまう可能性があること、下流側水槽流入制御システムの動作によって、水撃圧が頻繁に発生していることが判明しました。

 管路の改修では漏水事故の原因を排除できないため、水撃圧を抑制するための対策(下流側水槽の流入制御システムを改造)を立案するとともに、非定常流解析によってその効果を検証しました。

非定常流解析事例2:調圧水槽規模の検討

 自然圧送パイプラインシステムに設置する調圧水槽(PCタンク)の設計に非定常流解析を活用しました。

 調圧水槽の水位が満水になると無動力で閉塞する流入制御弁(フロートバルブ)を水槽内部に設置する計画としましたが、フロートバルブが閉塞した際に発生する水撃圧が上流側管水路の設計内圧以下になることを検証する必要がありました。

 水撃圧の大きさはフロートバルブの閉塞時間によって決まります。建設コスト縮減の観点から調圧水槽の規模は小さくすべきですが、調圧水槽の径を小さ く(水面積を小さく)すれば水位上昇速度が速くなるため(バルブ閉塞時間も速くなる)、水撃圧は大きくなってしまいます。

 非定常流解析でトライアル計算を行い、調圧水槽が必要最小限となる規模を決定しました。

非定常流解析事例3:ポンプ急停止時の対策検討

 揚水機場などのポンプ圧送管路においては、停電時などにポンプが急停止した場合の管内流況を非定常流解析によって検討する必要があります。

 発生する水撃圧が、設計内圧未満、負圧許容値未満となるよう、水撃圧対策としてフライホイールの要否、規模検討など、最適な水撃圧対策を検討しました。

非定常流解析事例4:サージングを抑制するための水槽規模の検討

 自由水面を持つ複数の水槽を管路で連結したパイプラインシステムの途中に設置する揚水機場の吸水槽設計で、非定常流解析を活用しました。

 揚水機場のポンプが急停止すると、吸水槽水位だけでなく、さらに上流側の複数の水槽水位が変動するサージング現象が発生します。

 吸水槽より上流側の複数の水槽は施工済みであったため、ポンプ急停止時に発生するアップサージ水位が水槽HWLを越えないように吸水槽の規模を決定する必要がありました。

 非定常流解析でトライアル計算を行い、吸水槽規模が必要最小限となる規模を決定しました。

非定常流解析事例5:水撃圧実測結果と非定常流解析結果の対比

 漏水事故の発生や電動制御バルブの誤作動が生じた場合には、管内圧力の変動に異常がみられます。

 供用されているモデル地区において、水撃圧を実測し、非定常流解析結果と対比分析することで、パイプラインの挙動を調査する手法としての適用性を検証しました。

 異常がみられない状態での実測値と解析結果が概ね合致する解析モデルを構築し、管内圧力を継続的に計測することで、異常の早期発見や、解析結果との対比による原因究明、経年変化による水理機能の低下などの挙動調査を行いました。

今後の取り組み

 非定常流解析は、新設する施設の設計だけでなく、老朽管路の更新設計、供用開始後の水理機能評価、予防保全などにも活用することができます。

 ストックマネジメントにおいても、非定常流解析は的確に現状を解析する有効な手法となります。

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